旬の野菜の栄養価は昔も今も同じ!


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昔と今では、野菜の栄養価が変化してきている内容の事を、テレビ・雑誌・本などで
見かける事があります。
そのほとんどが、「野菜の栄養価が昔より下がってきている」という内容。
日本食品標準成分表五訂にある野菜類の数値について、その初訂や四訂などと
比較されています。
今日もそんな本と出合いました。

栄養価の変化については、とても興味深い内容で、農業研修中にいろいろ調べた事が
あります。
その時(2年以上前)に最も良くまとまっていた内容が、インターネット上に公開されているものでした!

野菜の旬と栄養価~旬を知り、豊かな食卓を~
女子栄養大学
栄養学部生物有機化学研究室
教授 辻村卓
月報野菜情報、2008年11月

日本食品標準成分表では、改訂ごとにビタミン・ミネラル類などの栄養価が下がってきています。
しかし、辻村教授の研究からは、「旬の野菜の栄養価は昔も今も変わらない」ということが分かっています

日本食品標準成分表にある栄養価の数値は「年間の平均値」です。
旬の時期以外の野菜栄養価は、旬の時期と比べて数分の一程度になります。
改訂ごとに栄養価が下がっている大きな理由は、ここにあるのだと思います。

また、栄養価が下がってきている理由の一つとして、野菜の品種もあるようです。
女子栄養大学の吉田企世子教授の講演を聞いたことがありますが、
「野菜の品種改良」も野菜の栄養価に影響していると話されていました。

栄養価の高い野菜をお届けできる農家でありたいと思います

その他、「栽培方法」も栄養価に影響していると、個人的に強く感じています。

「野菜の水分量」、「土壌・肥料のミネラル」が野菜の栄養素に影響していることが分かっています。
ビタミンの量は、光合成が影響します。
女子栄養大学の辻村卓教授の研究では、慣行栽培(化学肥料を使用)と有機栽培(有機質肥料を使用)では、その栄養素の違いは見られていません。

ただ、有機栽培には、肥料施用の観点から大きく3つに別れる気がします。
①慣行栽培と同様の施肥基準(有機JASによる有機栽培など)
②植物が吸収する必要最低限の施肥(昔からの有機栽培や、自然農法による栽培など)
③無施肥・無肥料(自然栽培とも言われています)

極端に言うと、慣行栽培と比べて以下の様な傾向があると思います。
①→同様に植物の根が十分な栄養分に浸かっている。生育スピードは、同様、もしくは少し早い。同様の色。
②③→植物の根の周りは肥料分が少ない。根は必要に応じて吸収。生育スピードは遅い。収穫サイズは小さい。色は薄い。

重量ベースで比較すると、栄養素の違いは見られなくとも、濃度ベースで比較すると
違いがあるのかなぁと思ったりします。
何か情報をお持ちでしたら、ぜひ教えて下さい

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