8/9(木),広有研『夏の現地見学会』ご案内!

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最高22.4℃
最低19.9℃
※東広島観測所

僕がスタッフとして担当させていただいている広島県有機農業研究会フェイスブック
さん主催のイベントのご案内です!

夏の農場見学会
広島市安佐南区の法人を見学させていただきます。今年の総会アンケートで皆様からいただいた声を、参考にさせていただきました。

【日 時】8 月9 日(木)、15時から2時間半程度
【集合場所】ベジモひろしまメインファーム(プローバファーム)
〒731-3271 沼田町大字阿戸新出郷2496-1
※Google Mapsで表示されます。
【見学農場】
① ベジモひろしまメインファーム
今年より有機農業を本格的にスタートし、有機農業スクール(ベジモ有機農業スクール)や直営の飲食店(VEGIMO野菜食堂)も展開する「株式会社プローバ」さんのメイン圃場を見学させていただきます。
② 「農事組合法人戸山の郷中王」 沼田町大字阿戸509(ananas)付近等
広有研の広島・熊野支部長、石井裕二さんが勤める農業法人。法人では、オーガニックエコフェスタ2018栄養価コンテスト、冬人参部門で最優秀賞を受賞されました。栄養価の高い農産物を栽培される農場見学と、その取組みについてのお話しをしていただきます。
【参加費】 会員無料、非会員500 円
(この機会にご入会いただくと会員扱いとなります)
【申込方法】技術部 森 昭暢まで下記をご連絡下さい。
名前(参加者全員)、車の有無(できるだけ乗り合わせでご参加ください)。
E メール:info@hana-fu.com 、Tel・Fax:082-401-3296

※以下参考程度に、昨夏の現地見学会の報告内容です※

8月26日(土曜)、安芸高田市で夏の現地見学会を開催しました。今回は、広有研全体のテーマでもある「技術・品質の向上」にむけての参考になる事も多くあると思い、有機JAS認証を取得されている「合同会社 まめの木」の会員農家さんの圃場を見学させていただきました。見学会の後、代表の山本さんより、有機JAS認証の実際の取組みについて貴重なお話もいただきました。当日は、広島県内各地から21名の参加がありました。会員15名、非会員6名(その他子ども)です。参加者からの質問が絶えず、とても濃い時間となりました。

●すみおファーム
すみおファームは、約4haの農地を広有研会員でもある浅枝純紘さん(写真1)のご家族が営む農園です。今回は、ぶどうの果樹畑、ダイコン・タマネギ・サツマイモの畑等を見学させていただきました。
ぶどうは、約17年間、無農薬・無肥料で栽培されています。約40mの無加温ハウス(ハウスサイドは防虫・暴風ネット仕様)5棟の中に、管理の行き届いたぶどうの木がびっしり育っています。品種は、ピオーネと安芸クイーン。潅水は、必要に応じて、ハウス間の溝に水をかけ流しています。繁忙期となる、芽かき・剪定・誘引の時期は、2人体制で約1ヶ月かけて行われています。わき芽は、葉っぱ5枚に1箇所は残します。そして、大人の目線以下の高さにブドウの実が充実していました(写真2)。低い位置にぶどうの房ができる仕立て方に、驚く方が少なくありませんでした。浅枝さんがぶどうを作ると決めたとき、車椅子を利用されている方や、子供達に収穫を楽しんでいただきたいという思いから今の仕立て方に至った様です。18年前、浅枝さんがぶどうの栽培を始める時、この仕立て方をしている農家さんは近くにいませんでした。広島の近辺では、山口県で1人、低い位置で収穫できるよう栽培している方がいたとの情報があったくらいです。当日は、ぶどうの試食もさせていただきました。完熟の1歩手前の状態でしたが、味が濃くスッキリした味わいで、とても美味しかったです(写真3)。9月中旬からは、安芸高田市の「八千代産直市場」で販売されています。ぜひご賞味くださいませ。
ダイコン・タマネギの畑は、播種・定植に向けて準備されている段階で、耕耘し、きれいに整地されていました。ダイコンは、8月中旬から10月上旬頃まで、主に三太郎(タキイ種苗)をずらし蒔きされています。美味しいし、生育段階(小~大サイズ)に応じて自分の好きなサイズで収穫・出荷できるため、とても便利な品種とのことでした。タマネギ畑では、これから秋の定植時期まで太陽熱養生処理を行うところでした。私が事前に見学させていただいた7月は、雑草がめいっぱい生えていました。雑草も有機物。雑草をすき込むと畑が良くなるとの事でした。私も雑草を積極的に活用していますが、生草1t当り、全窒素で約0.1%あります。緑肥の1種として有効だと思います。雑草等をすき込んだ後は、定植時期まで透明のPOフィルムで畝を覆います。こうすることで、うまくいけば除草作業無しで、収穫まで至る様です。定植については目から鱗のお話も。定植作業の多くは、2月~3月中旬。この時期に定植すると、トウ立ちが少なく、良品が多くなるとのことです。収穫時期は、秋植えのものと比べると、約1週間遅くなるくらい。この時期まで定植がずらせると、タマネギの定植も気が楽になります。私も、さっそく試してみようと思いました。
サツマイモ畑では、生育段階の異なる、サツマイモが思いっきり葉っぱを畑全体に展開していました。除草作業は、8月に1回入ったのみで、サツマイモが明らかに優先しています。生育段階が異なるのは、3段階に分けて、イモ蔓の苗を定植しているからとのことです。一番最初に植えるのは5月上旬。その約一ヶ月後、最初に植えたイモ蔓の先端、葉っぱ3枚を残し、種蔓として切り取り、それを定植します。同じように、3回目は2回目に植えた蔓の先端を切り取り、それを種蔓として定植していきます。そうすることで、苗代は1/3。管理作業も一度に集中せず、気も楽とのことです。サツマイモの種蔓を購入するとけっこう高額です。苗代も1/3になり、かなりお得な情報でした。ぜひお試し下さい。
浅枝さんは、良いものを楽に(手を抜くわけでは無い)作っていく思いを持ちながら、日々過ごす事で、結果、良い物を楽に作れるようになってきているとのことです。ただ、なかなかできる事では無いと思います。非常に強い思いから、栽培技術・管理の工夫に繋がり、結果、良品が得られるのかなと思いました。浅枝さんは、日々、良い情報を求められています。そのため、良い情報や、自分が知っている事は、包み隠さず、他の人へ伝えられています。やがて、また自分に新たな良い情報として返って来るからです。行動を伴うくらいの、相当強い思いが、栽培技術、高品質な収穫物に繋がっている事例を見させていただきました。

●「合同会社 まめの木」
広有研の流通部部長、「合同会社まめの木」の代表を務める山本さんの畑で、夏の露地野菜を見学させていただきました(写真4)。山本さんの畑に行く道中には、とてもキレイな庭園があります。花、ハーブ、庭木がほどよく調和し、とてもゆったりとした空間です。今回は、その横の畑で、ナス、オクラ、赤紫蘇等を見学させていただきました。今夏も異常気象で、夏の猛暑、集中豪雨で作物にとったら厳しい環境下、合わせて特定の病害虫も発生しやすい条件の下、ほとんど虫害が無く、とてもきれいな状態の作物ばかりでした。栽培管理では、元肥として竹チップ堆肥、もしくは草堆肥を利用し、草取り、水遣り(ジョーロ、もしくは畝間潅水)、剪定くらいとのこと。作物が求める条件に応じて、必要な手入れをされており、作物がのびのび元気に育つ事で、虫害も少ないのかなと感じました。
そして、グループで取り組まれている「有機JAS認証」取得の実際の取組みについて、お話をいただきました(写真5)。
「合同会社 まめの木」は、2014年、新規就農および専業農家で生活できる環境づくりをするグループを目指して、有機農産物の販売を特化した組織として法人化されました。現在は、農家9名で、2町8反の認証を取得されています。一番多い方で約7反。今年、広有研の会員2名も入会されています。主要な販売先がいくつもあり、需要に供給が追いついていないとのことです。グループ農家以外の農園から農産品を納入していただき、その販売もされていらっしゃいます。広島県では有機農業を営む農家・農園はたくさんあります。そのうち、有機JAS認証を取得されているところは、約15軒。有機農業を営みながら、その農産物に「有機野菜」「オーガニック」として表示して販売できない現状があります。有機JAS認証取得に向けてネックとなるのが、「経費」と「事務作業量」の多さがよくあげられます。グループ化される事で、個々にかかるその負担が軽減されています。「経費」の面では、一番多い方で、約3万5千円。再生産可能となる現実的な金額だと思います。また、「事務作業量」の面では、申請、営業、販売、管理など、全て代表の山本さんが窓口となり対応されていらっしゃいます。事務作業の多くを山本さんが負担される事で、生産者は、必要最低限の書類作成、および資材証明書の入手で済んでいる様です。気になる「技術・品質の向上」について、参加者からも質問の声があがっていました。生産現場サイドで技術・品質を向上させてから営業・販売されているのか、もしくはお客様から求められる品質に応じて現場で技術を改善・向上させているのか。「まめの木」さんでは、「皆で良い物作ろう」というスローガンのもと、技術・品質は、各農家さんに一任されている様です。私の個人的な視点ではありますが、今年入会された広有研の会員さんは、とても勉強熱心で、毎年いろいろ工夫されながら改善を試みられている農家さんという印象が強くあります。ここでも、「強い思い」が技術・品質向上に結びついている取組みについてその一端を触れさせていただきました。

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