12/5(水),『簡易土壌分析』のご案内!

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※東広島観測所

僕が担当させていただいています広島県有機農業研究会フェイスブック)のイベントのご案内です!

今年も、神石高原町のDr.ソイルデジタル検定器をお借りして、簡易土壌分析を行います。当日は、神石高原町有機農業推進協議会の会員さんが行う分析作業にご一緒させていただきます。近年の測定結果では、微量要素について低い土壌が多く見られています。測定結果に基づいて、対策を行った作物では、生育が改善し、収量が上がるなどの成果も得られています。来年以降の土壌管理に向けて、ぜひご利用ください。
(申し込みは10月31日までにお願いします。検定機器・試薬の都合上、定員に達し次第申込受付を終了します)
○日時 12月5日(水)午前9時~
○場所 神石高原町三和公民館(神石高原町小畠)
○検査項目:CEC, NH3-N, NO3-N, H2PO4, K, Ca, Mg, Fe, Mn, pH
○費用: 1検体につき1,000円(お1人3検体まで。広有研非会員は1検体2,300円)
○申し込み 森(TEL&FAX:082-401-3296,Eメール:info@hana-fu.com)まで
※申し込みをされた方に、ご希望に応じて土壌検体の準備方法などお知らせします。
※参加者・サンプル数に応じて、検定機器の都合上、開始時間を調整させていただく場合があります。

以下、参考までに昨年の報告内容の一部です↓

12月6日(水曜)に、神石高原町三和公民館にて、簡易土壌検査を行いました。参加者は、総勢12名。土壌成分のうち、NH4-N,NO3-N,H2PO4,K2O,Ca0,MgO,Fe,Mn,pH,CECについて、神石高原町有機農業推進協議会さんのDr.ソイルデジタル検定器をお借りして、検査を行いました(写真1,2)。当日は、降雪の影響により、開始が1時間程度、遅れました。午前10時に始め、午後4時までかかりました。検査では、土壌から抽出された各成分の濃度を読み取る比色計が機能せず、目視で読み取ることになりました(写真3)。サンプル数は、26。一度に検定器にかけられるサンプル数は8本のため、4回に分けて分析しました。最後に、神石高原町有機農業推進協議会代表の平元さんより、全体のご感想をいただきました。全体的に、分析値が低い傾向にありました。肥料の三要素、窒素・リン酸・カリは多すぎないという点で、良い傾向にありました。微量要素については、値が低い土壌はしっかり対策をとった方が良いとこのことでした。昨年の土壌検査において神石高原町の田んぼの多くでは、鉄が欠乏していました。対策として、今年の稲作では、積極的な鉄の施用を試みました。その結果、明らかに生育が良好となりました。鉄を施用した全ての田んぼにおいて、収量が上がり、最も多いところで2割の増収となりました。この時、鉄を多く投入すれば、それに比例して増収に結びつく結果ではなかったそうです。少量のため、ついおろそかになりがちな微量要素についても、適正値を目指して、しっかり対策を行っていくことで、確実に結果として現れる事例のお話もいただきました。

以下、全体の傾向と野菜類の目安の一例になります。

○アンモニア態窒素、硝酸態窒素
アンモニア態窒素は、1~5(mg/100g乾土。以下、単位省略)の土壌が多く、適正の目安に近い値でした。硝酸態窒素の数値も同様でしたが、適正の目安は5~15のため、全体的に低い値となりました。野菜の多くは、好硝酸性のため、栽培する野菜に応じての肥培管理が必要です。

○pH
数値は、pH(H2O)4.5~7.2と様々でした。多くの作物では、6.0~6.5が適正域にあります。pHが栽培作物の適正域から外れると、微量要素の溶解性や土壌微生物相が変化し、生育に大きく影響します。要素の過剰症・欠乏症や土壌病害の多発に繋がるケースもあります。栽培する作物に適した領域になるよう、必要に応じて改善が必要です。

○リン酸
数値は、7~150と様々でした。目安は20~60です。鶏糞・豚糞を施用している土壌で80以上と高まる傾向にありました。一般的に80を超えると基準施肥量の半分程度、100を超えると無施肥が基準となりますので、注意が必要です。一方、数値の低い土壌は、施用量を増やすと収量が上がりやすいです。特に、冬野菜は、その耐寒性付与にリン酸の吸収が役立つとされています。適正なリン酸が得られることで、生育初期に根張りが良くなり、耐寒性が増します。

○CEC(陽イオン交換容量)
8前後のものが多く、高いもので20以上、低いもので2未満の土壌もありました。
目安は、砂質土で3~6、壌・粘質土で7~20、黒ボク土で20~30です。
土壌の特性にあった施肥管理が必要です。例えば、砂質土で値の低い土壌は、こまめな生育確認と肥料の施用が大切になります。

○カルシウム、マグネシウム、カリウム
全体的に、マグネシウムが低い(40以下がほとんど)傾向にありました。望ましい塩基バランスとしては、CaO:MgO:K2O=278~315:60~75:14~371(当量比では、5:2:1)です。土性にもよりますが、今回の数値で多かったCEC10以下のものは、塩基飽和度100~170%、石灰飽和度80~150%、苦土飽和度16%、カリ飽和度6%くらいが一つの目安とされています。
※石灰 meq(ミリグラム当量) =CaO/28
※苦土 meq =MgO/20
※カリ meq =K2O/47
※石灰飽和度(%)=石灰meq/CEC×100
※苦土飽和度(%)=苦土meq/CEC×100
※カリ飽和度(%)=カリmeq/CEC×100

○鉄、マンガン
全体的に低い値でした。作物の健全な生育には、供給を考慮した栽培管理が必要そうです。

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