中国新聞に掲載「廃棄予定のジーンバンク種子を譲渡」!

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2023年3月末をもって廃止となった広島県農業ジーンバンクについて、
広島県のジーンバンク事業の現在の状況が中国新聞に掲載されました。

ウエブ(↓)や本日の朝刊に掲載されています。
ジーンバンク廃止で廃棄予定の種子、希望した市町や大学に一部譲渡 広島県


県は誠意をもって対応くださり、丁寧な説明や一部方針を変えてくださっています。
最悪の事態は免れつつあり、ジーンバンクの存続を求めて活動された皆様、県農林水産局総務課職員の皆様に感謝です。

農業ジーンバンクが担ってきた役割、食料の安全保障、持続的農業の発展には、
自家採取・伝統野菜の利用(→船越建明農業学校(広島県民)、広島シードバンク)、
遺伝資源の保全(→農研機構、広島シードバンク)、
の両輪が必要です。

引き続き、目的をもって種子の譲渡が行われることを、切に望んでいます。



※参考
財団の広島県農業ジーンバンクは、2023年3月をもって廃止となりました。しかし、種子は、そのままの状態で冷蔵保存されています。ジーンバンクを守る会の署名・陳情活動ならびに、広島県農業ジーンバンクの種子を守る会の働きかけにより、現在は、広島県がジーンバンク事業を継続して(2023年度で終了)その種子の保存・活用を進めてくださっています。農研機構へ譲渡予定の種子は、2023年4月現在、県ジーンバンクの冷蔵庫で保存されたままです。廃棄予定だった種子約1万2,000点は、船越建明先生が整理。実際に研究や農業利用できるものとして、「固定種かつ10g以上保存されているもの」を基準として整理を進めて下さり、約5,300点が利用可能なものとなりました。この約5,300点の種子は、優先順位をつけて希望者への配布が進められています。優先順位は、第一段階として市町や県内の公的機関、第二段階として全国の農業試験場・大学、第三段階として県民、となっています。今は第一段階です。第三段階を終えて余ったものは、廃棄される予定となっておりますので、皆で希望を出していきたいところです。そして、交雑していたり保存量が極めて少ない約6,700点のものは廃棄予定となっていますが、こちらは廃棄を阻止するために、広島県農業ジーンバンクの種子を守る会などが中心となって県と交渉中で、船越先生がさらに種子整理を進めてくださったところです。すぐに農業利用できる可能性は極めて低いものが少なくありませんが、様々な時代を乗り越え、先祖代々引き継がれてきた生きた財産であり文化財です。かけがえのないタネを廃棄しては後戻りできませんので、、引き続き有効活用を県に強く要望してまいります。
なお、広島県農業ジーンバンクを守る会(2023年3月末をもって解散)では、廃棄予定であった種子1万2,000点の有効活用に向けての活動の一方で、ジーンバンクが本来果たしてきた役割、「遺伝資源の保全」「特産物の開発」「遺伝資源の直接的利用(種子の貸し出し)」を未来に引き継ぐために、「広島シードバンク」としてジーンバンク事業の継続を2023年3月30日に県に提案し、交渉を進めてきました。ジーンバンク廃止の理由は、「利用が低調で維持費に見合わないため」です。ジーンバンクの保存する種子約1万8,600点のうち、広島在来作物種子で利用可能なもの(固定種かつ10g以上存在するもの)は約500~800点とされています。広島在来作物種子や特性の分かっている種子などに絞り、その種子の保存・活用を行うなど、ジーンバンク事業の存続を強く要請しています

県に提案した「広島シードバンク」について。
(1) 広島シードバンクでは広島在来作物の種子を保存し、その種子を県民に無料で貸し出すこと。
(2) 広島シードバンクでは県民が農研機構に譲渡する種子を利用する際に、種子特性や栽培方法などに関する相談業務を行うこと(利用支援を行うこと)。(3) 広島シードバンクでは県民に伝統食や在来作物の普及啓発を行うこと。

これを、県直営もしくは県民協働などのかたちでの実現を要望しています。
ジーンバンクで保存されている種子の多くは同一系統の派生種です。種子は利用することで、新たな性質を得てそれが多様性となります。例えば、広島シードバンクで約500~700点保管しながら、県内では生きたタネとして5,000~7,000点を維持するようなことも可能になるかもしれません。

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