『バーク堆肥』試用します!

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痩せてしまった中国の土壌、日本のように肥やすには50年はかかる? いや、50年かけても無理かも=中国メディア

先月の農業系記事の中で考えさせられるものの一つでした。

肥えている土壌=肥沃度が高い土壌=地力の高い土壌、
の様な感じです。

地力とは、作物の生育に必要な土壌の能力で、
日本(地力増進法)では、「土壌の性質に由来する農地の生産力」と定義されています。

作物を生産しながら地力を維持・増進していくには、有機物(分解しにくいもの)が
必要です。
そのため、日本の指針としては、有機物として、『堆肥』を投入していく目安が示されています。

10a(1,000㎡)あたり、
田んぼでは1~1.5トン、
畑では1.5~3.0トン、
樹園地では、1~2トン。

田んぼ、畑では、年々、堆肥などの有機物投入量が減り、土壌は痩せてきています。

しかし、中国メディアでも参考にしている日本の樹園地では、0.3トン程度の投入量にも関わらず、9割以上の農地で目標とする有機物が含まれており、地力が高くなっています。

その大きな理由が、樹園地の『草生栽培』!
※草生栽培のイメージ⇒牧草の樹園地草生栽培

例えば、リンゴ園の土壌だと、1年間に消耗する有機物の量は1~2トンと試算されてますが、草生栽培の草だけで、土壌に還るその量が0.8~1トンあるとされています。

草生栽培で育ったリンゴは、例えば、生育に必要な窒素は、地力由来のものが95%くらいとされています(肥料ではなく、ほぼ土壌中の養分でまかなわれている)。

その場に草を生やし、草をその場に還すことで、地力が維持されやすくなります!
リンゴが肥料というより、土で育っているとも言える思います。

当農園で、持続可能な農業を目指す上で、『雑草』に着目して、
『草生栽培』などを行っていく決め手の一つになったのも、この樹園地の草生栽培です

無限に手に入る草。
その草を積極的に活かし、地力を維持・増進していった先には、
作物は肥料無しでも健全に生育できるようになるのでは、と夢見て日々取り組んでいます。

自立力のある作物が、自然のリズムで健全に育つようになるはずです。

当農園の草生栽培で、草由来の有機物は、0.8~1.5トンくらいです。

1年1作であれば、これくらいの量の有機物でも地力を維持できそうですが、
平均1作以上の作物を栽培するため、全体的にこれだけでは有機物が不足している
感じを強く受けています。

そのため、田畑に、地域の草や、落ち葉を入れたり、
作物残渣はその場に還し、出荷調整で生じた有機物も基本収穫した場所に還しています。
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それでも、1年間に2作の作物を栽培したり、農園の面積が拡大するにつれ、
田畑に十分量の有機物を投入することが難しくなるケースもでてきています。

対策として、
①草生栽培で有機物をたくさん還元できる緑肥を利用する、
②○作ごとに休閑地を設ける(作物を栽培せず、緑肥・雑草のみを育てる)
③必要に応じて、バーク堆肥を利用する、
を考えました。

前置きが長くなりましたが・・・、不足する有機物(分解しにくい)を補うため、
『バーク堆肥』を試用してみることにしました!
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バーク堆肥、樹皮を発酵分解させたものです。
広島県三次市産のものをベースに、島根県邑南町産のものも利用していきます。

ここで!
バーク堆肥には、その発酵分解のスターターとして、動物系の肥料を10%程度、使用
しています。

当農園では、2013年から動物系の肥料を控えていましたが、
結果として、田畑に投入するケースも出てくるかもしれません!!
※厳密には、土壌改良材としてバーク堆肥を利用する場合は、これを肥料としてはカウントしませんが、田畑に投入する資材には変わりありませんので、念のため。

試用ですが、分解しにくい有機物の効果が表れるくらいまでは時間がかかりますので、
とりあえず、5年くらい様子見!?

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