温暖化(異常気象)対策について考える!

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雨/晴れ
最高26.1℃
最低19.3℃
※東広島観測所

ここ1年、野菜の生産が極めて不安定!
農園のメイン商品「旬の野菜セット」の定期宅配は、ギリギリの所で何とか
続けられている現状。

昨年末の記録的な暖冬、今春の極端な天候不順、梅雨時期のゲリラ豪雨・記録的な猛暑から、冬野菜の虫害、タマネギ・ニンニクの不作、ジャガイモ等の水没、夏に種を蒔くニンジン等秋冬野菜の発芽不良、夏野菜の着花・受粉不良、害虫の多発。。。

経営面でも大打撃

ここ30年で日本の平均気温は約0.8℃上昇していますが、平均気温が1℃上昇するだけで、農業を取り巻く環境は激変します。
日本は、元々は、適地適作で産地のブランド化が進んできた背景がありますが、1℃上昇するだけで
その農業も根本的に成り立たなくなるくらいに。

農業にふれてまだ7年ですが、外気(自然環境)の変化のスピードには、毎年驚きます。
年配のベテラン農家さんとの話でも「こんなこと初めてじゃ」というのは当たり前のように
耳にします。

広島県内でも露地野菜を中心に作付けしている農家さんでも同じように生産が安定していないとか、
果樹農家さんでも着色不良で良品がわずかしかなかったという声は、少なくありません。

今年のお米は高温障害(お米が白濁)が多いはずです。
農家さんのほとんどが、「こんなに早くから稲刈りするのは初めて」「イネの生育が1週間くらい早まっとる」と。
高温で成熟期間が短い米、イネへの細かな栄養のサポート(適期に必要な量の肥料をスパッと効かせる。イネが必要な時に必要なだけの養分を吸収できるように土壌環境を整える。)が無ければ、でん粉は蓄積しにくいはずです。

この1年は特に農業の厳しさを学び、すぐに対策をしていかないと持続的な農業に黄色信号が点灯中!

日々、いろいろな田畑を見るなかで、気候に左右されにくい安定生産の畑は、
いつも細かな手入れをされている家庭菜園!
次いで、「慣行の施設栽培」と「自家採種の菜園・畑」。

温暖化(異常気象)の影響を受け、気候に左右される畑と比較すると、いろいろ見えてくるものもあります。

対策としては、技術面では2つの方向性に行き着きます。

①異常気象回避(栽培技術を高度化する)
②異常気象適応(耐性を持つ)

異常気象回避では、外気の変化を緩和し、その作物が育つ環境を保つように人為的にサポートすること。
経験や勘に頼る栽培ではなく、常に外気の変化に気づき、常に作物や周囲の環境(土壌など)の状況について把握し、
必要な手立てを行う。
例えば、今夏は、ニンジン・ダイコンの種まき適期に種を蒔いても発芽不良で失敗。
地温が高すぎて、発芽適温ではありませんでした。
地温が高すぎれば、種まき後に稲ワラで地表面を覆う(伝承農法)ことや、畑をミスト散水する(比較的新しい技術)
などで地温を適温にする等。
作物や土壌環境などのお医者さんになる!
もしくは、施設栽培・植物工場などでその作物の生育に必要な環境を人為的に作り出す。
メーカーの工場長になる!
いずれにせよ、栽培技術を高度化する必要があります。
当農園の方向性では、お医者さんの方。そうなると、管理できる畑の面積は限られ、小規模農業が前提になります。

異常気象適応では、先ず第一に、高温などの異常気象に強い品種の導入、自家採種を繰り返し作物自体の環境適応性を強化するなど、種の生命力をどう引き出すのか。
種屋さんになれるくらいに!?
合わせて、疎植に作付けしたり、土壌環境を豊かにしたり(地力向上、作土層深く)、肥料の量・タイプを変えたり
(地温が上がれば有機物分解が活発となり、より肥料分が必要になる等)、万が一の時の対応策を
各地の伝承農法に学ぶ(例えば、台風対策を沖縄の伝承農法に学ぶ。立体的に仕立てたマメを台風時には前もって
地面に倒してしまう等)など、日本・世界の先人の知恵を参考にしていくこと。

農業という生業を考えると、技術面だけでなく、6次産業化など多角経営が安定へは不可欠だと思います。

当農園の方向性と合わせて考えると、
可能な限り小規模経営(面積縮小?)。
自家採種の品種をハイペースで増やす。
加工部門を確立する。

温暖化に伴う異常気象とは、これからもずっと付き合っていかなければなりません。
農園も進化し続けないと!!

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