有機農産物で抗生物質耐性菌を回避できれば!

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今週は、新たに抗生物質耐性菌の問題がニュースとなり、お客様や農業関連の方々とのお話しでも
少し話題にあがりました。

僕が抗生物質耐性菌について初めて知ったのは、学生時代。
約20年前から、治療で抗生物質が効かなくなることが懸念されていました。

それから20年、やはり耐性菌は増え続け、2050年には、癌による死因数を越す予測データも見られるように
なりました。

抗生物質耐性菌が発生する原因の一つとして、農畜産物があげられています。

日本における慣行の家畜飼養では、治療以外の目的(成長促進、収量増加)で抗生物質が添加されていて(成長促進、収量増加)、その糞には、抗生物質およびその耐性菌が存在します。

耐性菌は土壌中にも広く存在しますが、家畜糞堆肥を利用すると土壌中で抗生物質耐性菌(薬剤耐性菌)が
集積します。
家畜糞堆肥を作物栽培で使用することで、直接的、間接的に人へ伝播することが懸念されています。

この懸念を、有機農産物で回避するには!

1つは、有機の畜産物を、いただくこと!?
有機農業では、治療以外の目的で抗生物質の使用が禁止されている(抗生物質の使用量は治療以外の目的が
大部分を締めている)ので、オーガニックのお肉をいただくことで、こういった疾病を減らせる可能性が
あります。

2つめは、作物栽培で、抗生物質を土壌に添加しないこと!?
早い段階から治療以外の目的で抗生物質の使用を禁止したデンマークでは、畜産物およびその堆肥からは
抗生物質耐性菌が集積していないことが分かっています。

こうした良質の、家畜糞尿堆肥を栽培に使用すれば、農産物を介しての伝播の可能性を下げる事が可能なはずです。
当農園では、念のためこれらの堆肥(2013年までは土壌の基盤を整えるために使用)、廃菌床、魚粉(養殖魚)などは、基本、田畑に投入しない様にしています。

有機農業でもやり方によっては、抗生物質耐性菌を増やしてしまいますが(日本でも、家畜糞堆肥の品質基準
作りが必要だと思います!)、自然環境や人の健康に配慮する有機農業では、耐性菌の集積を回避して
いければと思います

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