広島県の水田土壌における理化学性の状況【可給態ケイ酸】!


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  ※東広島観測所

2021~2022年度にデータ駆動型土づくり推進事業で
広島県内の畑や水田の土壌診断をさせていただきました。
 ※有機農業を営む農地が中心。

これらの結果を整理しています。
広島県の土づくりの現状と課題が見えればと思います。

広島県の水田土壌における理化学性の状況【可給態ケイ酸】
●可給態ケイ酸が不足する土壌は8割程度である
●可給態ケイ酸が適正域にある土壌は2割程度である

ケイ酸は、植物の必須元素ではありませんが、イネにおいては、その吸収量が15%(乾物換算)と、窒素の10倍程度、リン酸の20倍程度と多く、ケイ酸が不足すると健全な生育ができません。
イネはケイ酸含量が高く、ケイ酸を吸収することによって生育が良好になります。
そのため、水田では、重要な土壌診断項目になります。

ケイ酸が欠乏すると以下のような症状が起こります。
・イネの収量や米の品質が低下する
・茎葉が軟弱になり、倒伏の可能性や病害虫の被害が増える
・根の酸化力が低下して、根腐れや秋落ちの原因になる

広島県では、土壌診断基準値は25mg/100gです。
しかし、非黒ボク土では15mg/100gを超えても茎葉のケイ酸含量は上がらず、
黒ボク土では25mg/100gを超えても茎葉のケイ酸含量が上がらないなどのため、
地力増進法では目標値が15mg/100gとなっています。
これらの基準値も参考になると思います。

土壌の可給態ケイ酸が適正域にある広島県内の水田は2割程度の状況です。
 ※地力増進法による目標値15mg/100gでフィルターをかけると、土壌の可給態ケイ酸が適正域にある広島県内の水田は5割程度の状況です。

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