広島県の水田土壌における理化学性の状況【交換性カリウム】!

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  ※東広島観測所

2021~2022年度にデータ駆動型土づくり推進事業で
広島県内の畑や水田の土壌診断をさせていただきました。
 ※有機農業を営む農地が中心。


これらの結果を整理しています。
広島県の土づくりの現状と課題が見えればと思います。


広島県の水田土壌における理化学性の状況【交換性カリウム】
●交換性カリウムが不足する土壌は6割程度である
●交換性カリウムが適正域にある土壌は4割程度である


カリウムは、多くの作物で(マメ科を除く)肥料要素のうち、最も多く吸収されるとされています。
光合成の促進、デンプン生産、ショ糖の転流、タンパク質の合成、浸透圧の維持、病害抵抗性などに作用しており、その量は、作物の生育、収量や品質に影響してきます。


カリウムが欠乏するとその光合成産物を貯蔵する果実や根などの肥大に大きく影響を受けますが、その影響を受ける部位や度合いは作物によって異なります。
稲では、茎葉中のカリウム濃度の低下により、1穂着粒数が減少していきます。


対策の1つは、稲刈り後の稲わらを土壌中にすき込むことです。
すき込むことで、12kg/10a以上のカリウムを土壌中に還元できるとされています。
稲の成熟期におけるカリウムの吸収量は約15kg/10a以上とされているので、
これで大部分のカリウムを補うことができます。


広島県では、土壌診断基準値は15mg/100gです。
ただし、カリウムが多いと、カルシウムやマグネシウムの吸収を阻害するので注意が必要です。


土壌の交換性カリウムが適正域にある広島県内の水田は4割程度の状況です。

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